https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190120-00010000-wordleaf-pol&p=1
返還を期待させる日本メディアの報道は「不思議」
ロシアは最初から1島たりとも返すつもりはない 北方領土交渉の経緯からみる
「なぜ日本政府はいつも島のことばかり言うのですか? ロシアの領土を私たちが渡すわけがないじゃないですか。
形だけでも交渉してくれと日本の外務省が頼んでくるので、何も約束しない範囲で付き合っていますけど、これいつまで続けるつもりなのですかね」
これは1990年代のエリツィン政権時代に、プライベートで交流があったロシア外務省の日本担当者が私に言った言葉です。
私はかつてモスクワに2年ほど住んだことがあり、北方領土問題についてロシア側を取材していたことがあります。
日本では1991年4月のゴルバチョフ初来日の前あたりから、日本の経済協力と引き換えにロシア(ソ連)が北方領土を返還する可能性があると度々報じられてきました。
日露交渉はエリツィン時代も続き、「交渉進展か」との観測記事も頻繁に報じられてきました。
それはプーチン政権になっても同様で、今日まで続いています。
ところがこの28年間、1ミリたりとも領土は返ってきていません。つまり、繰り返されてきた領土返還を期待させる報道は、すべて「誤報」だったわけです。