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安倍晋三前首相が日本軍「慰安婦」問題の『朝日新聞』報道を巡り、自身のフェイスブック(FB)の投稿欄に「(記事の)捏造が事実として確定した」などと書き込み、削除を要求されていた問題で、安倍氏が12月4日までにコメントを削除したことがわかった。
安倍事務所は4日午後、削除の事実を認めたが、理由などの質問はファクスで受けつけるとした。このため質問をファクスしたが、4日午後3時現在、まだ回答はない。
安倍氏は、「慰安婦」の狭義の強制連行の証拠はないのに、問題を世界に広めたのは『朝日新聞』のせいだなどと批判し続けてきたが、自身のソーシャルネットワーキングサイト(SNS)のコメントを削除するのは異例だ。
問題のコメントは、植村隆『週刊金曜日』発行人が朝日新聞記者だった1991年、『朝日新聞』に書いた元日本軍「慰安婦」の記事を櫻井よしこ国家基本問題研究所理事長から「捏造」と批判されたため、札幌地裁に起こした名誉棄損訴訟の上告棄却の新聞報道について。
安倍氏は11月19日、『産経新聞』の「元朝日新聞記者の敗訴確定 最高裁、慰安婦記事巡り」の記事を自身のツイッターアカウントでリツイートしたうえ翌20日、フェイスブックに同じ記事を投稿し、さらに21日、コメント欄に「植村記者と朝日新聞の捏造が事実として確定したという事ですね」と書いた。
このコメントに対して11月24日、植村氏から安倍前首相に対し削除を要求する内容証明が送付されていた。
植村氏は削除を受け4日夕、「削除は間違いに気づいたからだと思うが、私への通知も理由説明も一切ない。安倍氏のフェイク情報は今も広範囲に拡散したままで、こっそり消せば免罪されるものではない」とコメント、安倍前首相に謝罪を求める方針だ。
名誉棄損は、たとえ真実でなくても真実と信じたことに相当の理由などがあれば免責する判例が確立しており、植村氏代理人の神原元・弁護士は「『産経新聞』は、札幌地裁が、櫻井氏の真実相当性を認め、札幌高裁もそれを支持したと書いた。最高裁が捏造を確定したとは書いていないし、その事実もない。安倍氏の投稿は名誉毀損です」と話している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f20c4094df1d626ce0102016792912264d889dc3